2026年9月時点の法令・警察案内をもとに作成
個人申請で中心となる書類は、許可申請書、最近5年間の略歴書、本籍(外国籍の方は国籍等)が記載された住民票の写し、誓約書、市区町村が発行する身分証明書、管理者関係書類です。インターネット等を使って古物取引をする営業形態では、URLの使用権限を示す資料が必要になる場合があります。
申請手数料:19,000円
標準処理期間:40日
申請先:主たる営業所を管轄する警察署(生活安全課)
まず営業所と管理者を決め、住民票・市区町村の身分証明書・略歴書などの取得先を確認しましょう。提出書類や部数は、申請する都道府県警の最新案内で確定します。
古物商許可を取る7STEP
STEP 1|申請の前に、許可を取れる条件を確認
ありません。試験に合格してから申請する制度ではありません。
原則として、特定の学歴や古物商としての実務経験が申請の必須条件ではありません。
あります。古物営業法第4条の欠格事由に当たる場合などは、許可を受けられません。
個人で営業するなら個人、会社が営業するなら法人が申請者になります。
「試験がないから誰でも必ず許可される」という意味ではありません。欠格事由の概要は後半にまとめました。判断に迷う事情がある場合は、申請先の警察署へ個別に確認してください。
STEP 2|古物商の仕事をする拠点「営業所」を決める
営業所とは、古物商の仕事をする拠点のことです。許可申請では主たる営業所を決めます。申請先は、その所在地を管轄する警察署です。宮城県警・警視庁とも、主たる営業所を管轄する警察署を案内しています。
自宅を営業所にできる?
自宅を営業所として申請する例はあります。ただし、自宅なら必ず認められるとは言えません。物件の使い方、賃貸借契約や管理規約、営業実態などを確認し、申請先警察署に事前相談してください。
STEP 3|営業所ごとの責任者「管理者」を決める
管理者は、営業所の古物営業を適正に行うための責任者です。古物営業法第13条により、営業所ごとに1人を選任します。申請者本人がその営業所の管理者を兼ねることもできます。
申請者
└ 営業所の管理者を兼任
営業所
└ 管理者 1人(業務を適正に行える人)
申請者と管理者が別の人なら、管理者本人についての書類も必要です。宮城県警の案内では、個人申請者が管理者を兼ねる場合は管理者用の誓約書が不要とされています。法人では管理者が役員と同一の場合に管理者用誓約書が不要と案内されています。略歴書や住民票などの扱いを含め、重複書類を独自判断で省かず、申請先の最新一覧に合わせてください。
STEP 4|取り扱う古物の区分を決める
「古物商許可が13種類ある」のではありません。許可は古物商の許可で、取り扱う古物を13区分から申請書に記載します。扱う可能性のある商品を整理し、該当区分を申請先へ確認しましょう。
スマートフォン、ゲーム機、トレーディングカードなどの具体的な分類には迷いやすいものがあります。品物ごとの詳しい分類は、シリーズの「古物商の13区分」で解説しています。
STEP 5|必要書類をそろえる
以下は宮城県警と警視庁の現行案内を照合した、主な書類の全体像です。細かい対象者、申請様式、提出方法、部数は地域や申請内容で異なる場合があるため、実際の申請先の案内で確認してください。
個人申請で用意する主な書類
警察の申請様式を使います。複数の営業所や役員がいる場合は追加の様式が必要なことがあります。
最近5年間の略歴を記載します。申請者本人と管理者の分が必要かを確認します。
本籍を記載したもの。外国籍の方は国籍等を記載したものが案内されています。
申請者用と管理者用など、該当する様式をそろえます。
本籍地の市区町村から取得する行政上の証明書です。本人と管理者の分を確認します。
管理者が別人なら、その人の略歴書、住民票、誓約書、身分証明書などが案内されています。
ネット取引を行う営業形態に応じ、URLの使用権限等を示す資料が必要になる場合があります。
法人申請で追加される主な書類
法人の基本ルールを定めた書類。
法人の登記内容を示す証明書。
役員全員について略歴書、住民票、誓約書、身分証明書などが必要と案内されています。
管理者が役員と同一か別人かにより、追加書類の扱いが変わります。
該当するネット取引の営業形態で必要になる場合があります。
営業主体となる法人名義で申請します。
個人と法人の書類を比較
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 許可申請書 | 必要 | 必要(法人が申請) |
| 最近5年間の略歴書 | 申請者・管理者など | 役員全員・管理者など |
| 本籍等記載の住民票 | 申請者・管理者など | 役員全員・管理者など |
| 誓約書 | 申請者・管理者など | 役員全員・管理者など |
| 市区町村の身分証明書 | 申請者・管理者など | 役員全員・管理者など |
| 定款 | 不要 | 必要 |
| 法人の登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| 管理者関係書類 | 必要 | 必要 |
| URL資料(該当時) | 必要となる場合 | 必要となる場合 |
理解のための一覧です。誰の書類が必要か、同じ内容の書類を省略できるかは、申請者・管理者・役員の関係と地域の案内によって確認してください。
要注意|申請書類の「身分証明書」は運転免許証ではない
「身分証明書」と聞いて、運転免許証やマイナンバーカードを用意する。
古物商許可申請でいう身分証明書は、本籍地の市区町村から交付を受ける行政上の証明書です。本人確認に使う運転免許証などとは別の書類です。
警視庁は、本籍地のある市区町村から身分証明書の交付を受けるよう案内しています。証明書の名称や証明内容、申請方法は自治体の案内で確認してください。住民票とは別に取得する書類です。
書類はどこで取る?
都道府県警察の申請案内・様式ページなど。
住所地の市区町村。必要な記載事項を指定して請求します。
本籍地の市区町村。本人確認書類とは別です。
法人の登記を扱う法務局等。
会社で保管している定款など。必要な形式は申請先に確認します。
実際の取引方法とURLの使用権限に応じて、申請先の案内を確認します。
証明書のオンライン取得や郵送請求ができるか、手数料や発行にかかる日数は自治体等で異なります。全国で同じ方法とは限らないため、各発行元の最新案内を確認しましょう。
ネットで古物取引をする場合のURL資料
ホームページ等を使って古物の取引をする営業形態では、申請書にURLを記載し、使用権限を示す資料を提出するよう求められる場合があります。宮城県警は「インターネット等取引を行う場合」にURL等の割当通知書の写しを案内し、警視庁も該当する営業形態のみ必要としています。
STEP 6|主たる営業所を管轄する警察署へ申請
申請手数料:19,000円
申請先:主たる営業所の所在地を管轄する警察署
公開窓口:警察署生活安全課
標準処理期間:40日
宮城県公安委員会の審査基準に記載された標準処理期間です。申請後40日で必ず許可が出るという意味ではありません。書類の不備や補正、個別の事情などにより、実際の期間は変わることがあります。
警視庁の案内でも、申請場所は主たる営業所を管轄する警察署、手数料は19,000円です。ただし、手数料や必要書類、受付方法は申請先の最新案内で確認し、宮城県の40日という標準処理期間を他の地域へ当てはめないでください。申請前に管轄署へ予約・受付時間・持参物を確認すると手戻りを防ぎやすくなります。
STEP 7|許可を受けてから営業開始
「申請したから、今日から古物を仕入れて商売を始めよう」
公安委員会の許可を受けたことを確認してから、古物営業を始める。
ここまで読めば、申請準備の大枠はOK
次の項目をひとつずつ確認しましょう。細かな添付書類を確定するときは、申請先の最新案内を使ってください。
- □ 自分の営業に古物商許可が必要か確認した
- □ 主たる営業所を決めた
- □ 営業所ごとの管理者を決めた
- □ 扱う古物の区分を整理した
- □ 個人・法人に応じた書類を確認した
- □ 住民票と市区町村の身分証明書を区別した
- □ 主たる営業所を管轄する警察署を確認した
- □ 申請先の最新の手数料・受付方法を確認した
- □ 許可を受ける前には営業を始めないと理解した
まずは営業所と管理者を決めるところから始めましょう。許可が必要な取引か迷う場合は、親記事の「古物商とは?古物商許可が必要な人・できること」もご覧ください。
欠格事由とは?許可を受けられない主な場合
古物営業法第4条には、許可をしてはならない条件(欠格事由)が定められています。細かな要件があるため、ここでは初心者向けに主な類型を挙げます。
「破産したことがある人は全員だめ」と単純化するのも正確ではありません。現行法では、復権を得ていない破産者などが関係します。また、2025年6月以降の刑法用語変更により、現行法は「拘禁刑」等の表記を含みます。該当するかどうかは個別事情と最新条文を確認してください。
管理者についてもう少し詳しく
管理者は名義だけを貸す人ではありません。営業所ごとの業務を適正に行うために選任する責任者です。本人が営業する一人事業では、申請者が管理者を兼ねられます。
複数の営業所がある場合も、原則は営業所ごとに管理者を選任します。一人の管理者が離れた複数営業所をまとめて担当できると決めつけず、営業実態や警察の案内を踏まえて申請先へ相談してください。管理者を変更したときにも届出が関係します。
自宅を営業所にする場合の確認ポイント
営業拠点としての実態や使用方法を整理します。
賃貸借契約、管理規約、用途制限などを確認します。
営業所としての実態・管理体制が認められるかを申請先へ事前相談します。
自宅を営業所として申請できるかは、物件の条件や実際の営業方法によります。賃貸でも必ず可能、または必ず不可能とは言えません。使用承諾書が必要かどうかも全国一律とせず、契約・管理規約を確認して管轄警察署に相談しましょう。
個人で取る?法人で取る?
個人が申請者となり、その人の許可で古物営業を行います。
営業主体となる法人が申請者です。法人の定款・登記事項証明書や役員関係書類をそろえます。
代表者個人が持つ許可を、そのまま別の営業主体である法人の許可として使うことはできません。法人として営業するなら、法人名義で申請します。
複数の都道府県に営業所がある場合
現在の制度では、主たる営業所を基準に許可を受ける仕組みです。昔の解説にある「都道府県ごとに個別の古物商許可を取る」という説明をそのまま当てはめないようにしましょう。ただし、営業所の新設・移転や管理者などの変更には届出が関係します。営業所を追加する前に、変更手続を管轄警察署へ確認してください。
よくある申請ミス
普段の本人確認書類を準備する。
本籍地の市区町村から交付を受ける。
自宅から近い署を選ぶ。
主たる営業所の所在地を管轄する警察署を調べる。
書類提出を許可と同じように考える。
審査を経て許可を受けてから始める。
区分ごとに別許可が必要と思い込む。
許可は一つ。扱う古物の区分を申請書に記載する。
会社の営業を個人の許可だけで始める。
法人で営業するなら法人が許可を申請する。
許可が出たら、実際の営業準備へ
許可証を受け取れば準備がすべて終わるわけではありません。営業開始後は、営業所の標識、取引相手の確認、取引記録の作成・保存、変更届など、営業形態に応じた運用が始まります。
買取業務では、顧客、査定、商品、取引、帳票などを日々管理します。Koyomi App LabのMINE PRIME紹介記事では、査定・顧客情報・取引履歴・古物台帳・各種帳票の管理を支援する機能を紹介しています。許可申請を代行するサービスではなく、アプリの利用で許可取得や法令適合が保証されるものでもありません。
営業開始後の手続や運用は、シリーズ第3記事「古物商許可を取った後にやること」で詳しく解説しています。
よくある質問
古物商許可は自分で申請できますか?
申請者本人が必要書類をそろえて申請できます。書類の書き方や営業所の条件が不安なら、管轄警察署へ事前相談してください。
行政書士に頼まないと取れませんか?
行政書士への依頼は必須ではありません。自分で申請することもできます。
資格試験はありますか?
古物商許可のための国家試験はありません。ただし、法令上の許可基準に該当する必要があります。
個人でも許可を取れますか?
個人でも申請できます。法人で営業する場合は法人が申請者になります。
自宅や賃貸住宅でも営業所にできますか?
物件の使用条件や営業実態などによって異なります。一律に可否を断定せず、契約・管理規約を確認して申請先へ相談しましょう。
申請書の「身分証明書」は運転免許証ですか?
いいえ。本籍地の市区町村から交付を受ける行政上の証明書です。運転免許証やマイナンバーカードとは別です。
1人で営業する場合も管理者が必要ですか?
営業所ごとに管理者を置きます。一人で営業する場合は、申請者本人が兼ねることができます。
申請費用はいくらですか?
宮城県と警視庁の案内は19,000円です。宮城県の例は2026年9月時点で確認しました。申請前に地域の最新案内を確認してください。
申請してから何日かかりますか?
宮城県の古物商許可の標準処理期間は40日です。標準処理期間は、40日後に必ず許可されるという意味ではありません。地域や個別事情で異なるため、申請先へ確認してください。
許可が出る前に商品を仕入れてよいですか?
古物営業は許可を受けてから始めます。申請しただけで営業できると考えず、許可前に営業を開始しないでください。
ネットだけで営業する場合も営業所は必要ですか?
インターネット取引の有無だけで営業所の扱いを決めつけず、申請者の事業拠点と申請書の要件を管轄警察署へ確認してください。ネット上の取引では、URL資料や許可表示など別途確認する義務が関係する場合があります。
法人化したら個人許可をそのまま使えますか?
個人と法人は営業主体が異なります。法人として営業する場合は、法人名義の許可が必要です。
古物の区分は後から変更できますか?
宮城県警は取り扱う古物の区分変更について変更届出を案内しています。手続の期限や様式は地域の最新案内で確認してください。
あなたが次にやること
この記事のチェックリストを使い、営業所・管理者・書類を確認する。
古物商許可が必要な取引の考え方は、親記事の「古物商とは?」へ戻って確認できます。
参考にした公的情報
- 古物営業法(e-Gov法令検索)(第3条、第4条、第5条、第13条など)
- 古物営業法施行規則(e-Gov法令検索)(第1条の3、第2条など)
- 宮城県警「古物営業 関係申請書類・添付書類等」
- 宮城県公安委員会「古物商の許可」審査基準(標準処理期間)
- 警視庁「古物商許可申請」
- 警視庁「申請届出様式等一覧(古物商・古物市場主用)」
- 警察庁「古物営業法等の解釈運用基準について」(2026年5月14日付)
本記事は申請準備に役立つ一般情報です。手数料、提出書類、申請様式、審査期間は変更されることがあります。個別の取引や営業所の条件、必要書類は、申請先の警察署にご確認ください。
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