2026年9月時点の法令・警察・消費者庁の案内をもとに作成

古物商がインターネットで中古品を扱うときは、まず「仕入れ」と「販売」を分けて考えましょう。仕入れでは誰から買うのかを確認し、販売では誰が売っているのかを表示します。メルカリやネットオークションを使っても、取引の実態に応じたルールが適用されます。

ネット仕入れ出品者 → 古物商
見ること:相手方確認・非対面確認・記録
ネット販売古物商 → 購入者
見ること:許可表示・URL関係・通販表示
まず結論
仕入れるなら「誰から買ったか」。売るなら「誰が売り、どんな条件で注文を受けるか」。プラットフォーム名だけで義務は決まりません。

目次:最初に確認する7つのこと

  1. ネット仕入れの相手方確認
  2. 1万円未満でも確認が必要な品目
  3. 非対面本人確認
  4. 販売ページの許可表示
  5. URL等の届出
  6. 特定商取引法の表示
  7. クーリングオフと返品条件
仕入れ
誰から買う?
相手方確認
法定方式
販売
誰が売る?
許可表示・通販条件

ネット仕入れ:ネットでも相手方確認は必要

古物商が古物を買い受けるときは、取引相手の住所・氏名・職業・年齢を確認する義務があります。フリマアプリやネットオークションを介した取引でも、相手と直接会わないからといって、この義務が自動的になくなるわけではありません。古物商同士の取引も同様です。

NG「アプリが本人確認済みだから、自店では確認しなくてよい」
OKプラットフォームの確認と、自分の古物営業法上の確認を分けて考える

プラットフォームが利用者の本人確認をしていても、古物商が法令に沿って相手方確認を行ったことと同じとは限りません。サービスによって確認方法・取得できる情報・機能も変わるため、相手のプロフィール表示だけで確認済みと判断しないでください。

1万円ルールは「すべて不要」の意味ではない

買い受ける品物の対価の総額が1万円未満の場合、相手方確認と帳簿等への記載が原則として免除される取引があります。ただし、金額が1万円未満でも対象外にならない品目があります。金額は品目ごとの値段ではなく、買い受ける物品の総額で判断します。

買受け総額 1万円以上 → 確認・記録
1万円未満 → 品目を確認。例外品は確認・記録が必要

例外品には、従来からの自動二輪車・原動機付自転車、家庭用テレビゲームソフト、光学的方法で音や映像を記録した物(CD・DVD等)、書籍などがあります。2025年10月1日施行の改正で、エアコンディショナーの室外ユニット、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチングも追加されました。法令上の品目区分に当たるか迷う場合は、品名の印象だけで免除と判断せず、管轄警察署に確認してください。

確認義務と記録義務は別々に確認
1万円未満の免除には法令上の条件があります。本人確認が不要に見える取引でも、取引内容や品目に応じた記録・帳簿の要否を確認し、仕入れの証拠や商品情報を適切に残しましょう。

相手と会わない取引は、定められた非対面確認方法で

宅配買取やフリマアプリなど、相手と対面しない方法では、古物営業法施行規則に定められた方法で相手方の真偽を確認します。運転免許証のコピーや画像を送ってもらうだけでは、本人がその証明書の名義人であることを確認できないため、通常それだけでは足りません。

証明書画像だけ名義・住所は読める送信者本人か不明法定方式を選ぶ

方法には、本人確認書類と住所への到達確認を組み合わせる方法、電子証明・IC情報等を使う方法など複数の類型があります。方式ごとに必要な書類、記録、郵送方法、システム要件が異なります。この図は考え方の概要であり、特定の一方式を示すものではありません。実際に採用する手順は、警視庁「非対面取引における確認の方法」と現行の施行規則第15条で確認してください。

メルカリ・フリマ・ヤフオクで仕入れるとき

アプリやオークションの取引画面があること自体で、古物商の相手方確認が完了するわけではありません。相手から必要な情報をどの方法で取得し、法定方式に沿って本人と確認し、取引を記録できるかを、仕入れ前に決めておきましょう。サービス固有の本人確認機能や個人情報の受け渡し方法は変更されることがあるため、現在の利用規約・機能も別途確認してください。

本人確認方法を満たせない取引を、発送後にどうにか記録すればよいと考えるのは危険です。仕入れ前に相手との連絡方法と必要手順を整えられない場合は、取引を進めない判断も必要です。

ネット販売:売り手の情報と取引条件を表示する

インターネットを利用して古物の取引を行う古物商には、古物営業法に基づき、許可を受けた公安委員会名、許可証番号、氏名または名称などを表示する義務があります。個人許可の場合、屋号や店舗名だけでなく、許可を受けた本人の氏名の表示が必要です。フリマ・オークションサービスを使う場合も、古物商であることを隠して取引するのではなく、サービスの出品者表示機能等を使って必要情報を表示します。

商品ページ・出品者欄に表示する情報の例許可を受けた公安委員会名/古物商許可番号/許可を受けた氏名または法人名
表示場所や表示方法は取引システム・ページ構成により確認してください。

2024年4月の表示義務拡大:小規模事業者の除外に注意

2024年4月1日施行の改正で、管理するウェブサイトを持つ古物商等にも、一定の場合にウェブサイト上の許可情報表示が求められるようになりました。一般の古物商等には、常時使用する従業者が5人以下である場合や、管理するウェブサイトを有しない場合などの除外があります。

区分考え方
一般の古物商等規模・管理サイトの有無などにより除外となる場合がある
特定古物商インターネット取引に係る法定の区分。上記の小規模等の除外をそのまま当てはめない

「従業員が5人以下だから、ネット販売でも表示不要」とは一概にいえません。特定古物商に当たるか、どのページにどう表示するかは、警視庁の改正案内と営業形態に照らして確認しましょう。

URL等の届出は、サイトを持つだけで一律に必要ではない

古物営業法上の届出対象は、単にウェブサイトやSNSアカウントを所有しているかではなく、そこでどのような古物取引を行うかで判断します。一般に、取引の相手方がアクセスできる仕組みで古物に関する情報を掲載し、その取引の申込みを受ける形態かが重要です。会社案内だけのページ、SNSで告知するだけの投稿などを、実際の注文受付ページと同列には扱えません。

届出要否を確認する例自社サイトに商品情報を掲載し、注文フォーム等で申込みを受ける。取引可能な出品ページを運営する。
それだけで断定しない例会社案内ページを持つ。SNSアカウントを保有する。商品を紹介するが、その場所では申込みを受けない。

プラットフォーム内のページやSNSで販売する場合も、URLの届出が必要かは、実際の掲載・申込みの仕組みと古物営業法上の定義に沿って個別に確認します。該当するURL等を届け出る手続き、期限、変更時の届出は都道府県公安委員会の案内に従ってください。迷う場合は、許可を受けた営業所を管轄する警察署へ、ページのURLと注文の流れを示して相談するのが確実です。

古物営業法と特定商取引法は、別々の表示ルール

インターネットで消費者から注文を受けて商品を販売する場合、古物営業法の許可表示だけで足りるとは限りません。取引形態が特定商取引法上の通信販売に当たる場合、通販広告の表示事項や申込み段階の表示も必要です。

確認する法律主に伝えること目的
古物営業法公安委員会名、許可番号、氏名・名称等古物商の許可情報を示す
特定商取引法販売価格・送料、支払方法と時期、引渡時期、事業者情報、返品特約など注文前に販売条件を分かるようにする

通信販売では、販売価格(送料を含む必要な費用)、支払時期・方法、商品の引渡時期、事業者の氏名・名称、住所、電話番号、返品に関する事項などを表示します。法人の場合の代表者または通信販売業務責任者など、取引形態によって必要な表示もあります。申込み最終確認画面にも、価格や支払、引渡し等の重要条件を明確に示す必要があります。

商品ページから「特定商取引法に基づく表記」へ迷わず移動できるようにし、注文確定前にも購入内容・金額・送料・支払・発送・返品条件を確認できるようにします。許可番号を表示しただけでは、特商法の表示を満たしません。

フリマアプリやオークションなら、いつも特商法の対象外?

個人間取引か、事業者による販売かは、アカウント名だけで決まるものではありません。反復継続して販売するなど、実態によって販売業者に当たることがあります。プラットフォームの規約・表示機能に加え、消費者庁の通信販売案内やオークションの販売業者ガイドラインを確認してください。

通販に一般的なクーリングオフはない。ただし返品ルールはある

通信販売には、訪問販売などにある一般的なクーリングオフ制度はありません。一方で、返品特約を広告に表示していない場合、特定商取引法第15条の3により、購入者は商品を受け取った日から8日以内であれば申込みの撤回・契約解除をし、送料を負担して返品できる場合があります。これはクーリングオフとは別のルールです。

返品特約の表示なし法定の8日間返品ルールが適用される場合がある。返送費用は原則購入者負担。
明確な返品特約あり広告上の特約に従う。ネット通販では最終確認画面での表示も確認。

返品特約を設けるなら、返品できるか、期限、条件、送料負担を購入前に分かる形で具体的に示します。「返品はその都度相談」だけでは、返品条件が明確とはいえません。中古品では状態・付属品・動作確認の範囲も商品説明に明記し、返品条件と混同させないようにしましょう。

「返品不可」と書けば、どんな場合も責任を免れるわけではありません。
返品特約が対象とするのは、通信販売の申込み撤回・解除のルールです。商品説明との相違や契約不適合など、別の問題まで一律に免責されると誤解させない表示にしてください。

メルカリ・ヤフオク・自社ECで確認するポイント

フリマアプリ・ネットオークションで仕入れる

相手方確認の法定方式、取引総額と品目、帳簿等への記録を確認。プラットフォームの利用者確認だけで代替できると考えない。

フリマアプリ・ネットオークションで販売する

自分が販売業者に当たるか、古物商情報をどこに表示するか、URL等の届出対象か、特商法の表示が必要かを取引実態に沿って確認。

自社ECで販売する

古物商許可情報、URL関係の届出、特商法表示、注文の最終確認画面、返品特約、個人情報の取扱い、商品説明・発送条件を公開前に確認。

MINE PRIMEで管理できる範囲

ネット販売を始める前にも、「誰から何を買い取ったか」「査定や取引の内容をどう記録するか」という仕入れ側の業務があります。MINE PRIMEは、顧客・査定・取引・商品情報や古物台帳、帳票など、買取業務を管理するアプリです。ネットショップを作る機能や、メルカリ等への出品連携、法定の非対面本人確認を完了する機能として紹介するものではありません。

MINE PRIME買取・査定・取引情報の管理
EC・フリマ等商品の掲載・注文受付・販売条件の表示

仕入れた商品の情報や業務記録を整理する用途を検討する方は、MINE PRIMEの機能紹介をご覧ください。ネット販売ページや許可表示、本人確認方法は、別途それぞれ整備が必要です。

ネット古物取引のNG / OK

NGメルカリが本人確認済みなので古物商側は確認不要OK古物商自身の法定確認を別に行う
NG免許証画像だけで宅配買取の本人確認完了OK施行規則の非対面方式を使う
NG従業員5人以下ならネット取引でも許可表示不要OK特定古物商等の区分を確認する
NGWebサイトやSNSを持てば必ず同じURL届が必要OK商品情報と申込みの仕組みを示して管轄警察に確認
NG通販は8日間のクーリングオフ、または返品不可OK一般的なクーリングオフはなく、返品特約と法定ルールを確認

よくある質問

メルカリから仕入れても本人確認が必要ですか?

古物営業法上の相手方確認を確認します。プラットフォームの本人確認だけで古物商の義務が自動的に満たされるわけではありません。

相手も古物商なら本人確認は不要ですか?

古物商同士でも相手方確認義務は免除されません。

1万円未満なら何を買っても確認不要ですか?

いいえ。対象外とならない品目があり、2025年10月から例外品が追加されています。総額と品目を確認してください。

免許証の写真だけではだめですか?

通常、それだけでは送信者が証明書の本人か確認できません。施行規則に定められた非対面確認方式を用います。

ネット販売では許可番号をどこに表示しますか?屋号だけでよいですか?

取引ページ等で相手に分かるよう表示します。個人許可の場合は許可を受けた本人の氏名も必要で、屋号のみでは足りません。具体的な表示場所は利用サービスとページ構成を所轄警察に確認してください。

自社サイトやSNSを開設したらURL届が必要ですか?

開設しただけで一律に決まるわけではありません。古物の情報を公開し、そのURLで申込みを受けるなど、実際の取引方法をもとに判断します。

通販にクーリングオフはありますか?返品不可と書けますか?

通信販売に一般的なクーリングオフ制度はありません。ただし返品特約がない場合の法定返品ルールがあります。「返品不可」とする場合も、表示方法や商品説明との相違など別の問題を含めて適切に整備してください。

MINE PRIMEからメルカリへ出品できますか?

本記事で確認した機能情報では、MINE PRIMEは買取業務管理のアプリで、メルカリ等への出品連携機能として案内していません。ECサイト構築や法定本人確認の代替機能としても紹介していません。

ここまで読めばOK:ネット取引の5原則

1. 仕入れと販売を分ける仕入れは誰から買うか、販売は誰が売るか。
2. ネット仕入れも確認プラットフォーム確認と自店の義務を混同しない。
3. 非対面は法定方式身分証画像だけで完了としない。
4. 販売ページを整える古物商情報と、必要なURL関係届を確認。
5. 通販条件を明確に特商法表示、注文画面、返品特約を用意。

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参考にした一次情報

法令・運用は改正や取引方法によって変わることがあります。個別の出品ページ、URL届の要否、本人確認手順は、許可を受けた都道府県の公安委員会・警察署および最新の法令を確認してください。