2026年9月時点の法令・警察案内をもとに作成

先に結論:中古品などを仕入れたり買い取ったりして、利益を得る目的で繰り返し販売する商売は、古物商許可が必要になるのが基本です。自分で使っていた物や、自分用に買った不要品を売るだけなら、通常は古物営業に当たりません。「副業だから不要」「月に数件なら不要」といった一律の線引きはありません。
STEP 1古物商とは何かを知る
STEP 2自分に許可が必要か確認する
STEP 3扱う商品を確認する
STEP 4警察署を通じて許可を申請する
STEP 5許可後の確認・記録ルールを守る

この記事では、古物商の意味、許可が必要になりやすい取引、申請から営業開始までの流れを順番に説明します。

古物商とは?

古物商とは、簡単にいうと、中古品などを買い取ったり仕入れたりし、販売・交換などをする商売を行う人や会社です。営業を始める前に、営業所を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けます。これを一般に「古物商許可」と呼びます。

売る人中古品古物商次の買い手

自分に古物商許可は必要?

Q1 自分の持ち物を売るだけ?

YES:自分で使っていた物や、自分で使うために買った物を手放すだけなら、通常は古物営業に当たりません。

NO:次の質問へ。

Q2 中古品を仕入れたり、買い取ったりして販売する?

YES:利益を得る目的で反復・継続するなら、古物商許可が必要となる可能性が高いです。副業でも同じです。

NO:新品のみの仕入れなど、取引の実態を管轄警察署へ確認しましょう。

取引の例許可の考え方
自分で使っていた服や家具を売る通常は不要
自分用に買った未使用品を不要になって売る通常は不要
中古品を仕入れて転売する必要となる可能性が高い
一般の人から中古品を買い取り、販売する必要となる可能性が高い
フリマアプリ等から中古品を仕入れて販売する取引実態によって判断。必要となる可能性が高い
メーカー・卸売業者から新品だけを仕入れて販売する通常、古物営業許可の対象となる仕入れではない
他人の古物を預かり、委託を受けて販売する営業の形態によって許可対象となり得るため、事前確認

フリマサイトやフリーマーケットでの販売が古物営業に当たるかは、回数だけでは決まりません。営利目的か、どのような品をどう仕入れているかなど、取引の実態に照らして個別に判断されます。利益が毎回出ていることも必須ではありません。

迷ったとき:仕入れを始める前に、営業所を置く予定の地域を管轄する警察署へ、仕入れと販売の具体的な方法を伝えて確認しましょう。

何が「古物」なの?

古物は、使い古された品だけではありません。法律上は、おおまかに次の物品が含まれます。

1. 一度使用された物

本来の目的に沿って一度でも使われた物。

2. 使用目的で取引された物

まだ使われていなくても、使うために購入され、一般消費者の手に渡った物。未使用の食器セットや贈答用の商品券も該当し得ます。

3. 手入れをした物

上記の物に、本来の性質や用途を変えない範囲で修理などをした物。

そのため「未開封なら古物ではない」とは限りません。一方、社会通念上、本来の用途で使えない廃製品は古物に当たらない場合があります。品物の状態や価値による例外もあるため、廃製品・スクラップの扱いは個別に確認してください。

古物商許可は1つ。品物は13区分

「13種類の古物商免許」があるわけではありません。許可は一つで、取り扱う品物が次の13区分に整理されています。

美術品類
衣類
時計・宝飾品類
自動車
自動二輪車・原動機付自転車
自転車類
写真機類
事務機器類
機械工具類
道具類
皮革・ゴム製品類
書籍
金券類

古物商許可を取るには

申請の前に、どこで営業するか、誰を営業所の管理者にするか、何を扱うかを整理します。申請先や必要書類は地域・申請内容で確認してください。

1営業所を決める
2管理者を決める
3扱う区分を決める
4書類をそろえ警察署へ申請
5許可を受けてから営業開始

申請窓口は、原則として主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。宮城県警の案内では、個人・法人の古物商許可申請手数料は19,000円です。これは宮城県の案内であり、全国共通の細則として扱わず、申請する地域の最新情報を確認してください。

申請してすぐ営業を始められるわけではありません。許可を受ける前に古物営業を開始しないでください。申請の詳しい流れは、シリーズ記事「古物商許可の取り方」で案内予定です。

許可を取ったら終わりではない

営業を始めた後は、取引の内容に応じて確認や記録などを行います。必要な確認方法や記録事項には例外・条件があるため、以下は全体像です。

相手方・品物を確認必要な本人確認査定・買取必要な取引記録を作成・保存
  • 営業所に標識を掲示する
  • 古物を買い受けるとき、法令に沿って相手方を確認する
  • 対象となる取引について帳簿等に記録し、定められた期間保存する
  • 盗品等の疑いがある品物を見つけた場合は警察へ申告する
  • 営業所などの許可事項に変更があれば、必要な届出を行う

2025年10月から、従来は取引額による確認・記録義務の例外があった品目の一部に、金額にかかわらず義務が及ぶ改正が施行されています。さらに2026年6月には金属盗対策法による特定金属くず買受業の届出等も施行されました。対象や条件の詳細は各制度の専門記事と警察案内を確認してください。

取引情報を整理する方法の一つ

古物商の業務では、顧客、査定、商品、取引、帳票などの情報を管理します。紙や表計算で管理する方法もあります。Koyomi App Labの「MINE PRIME」は、査定や顧客情報、取引履歴、古物台帳、各種帳票などをまとめて管理する買取業務支援アプリです。アプリが法令適合を保証したり、本人確認を自動で完了したりするものではありません。MINE PRIMEの買取業務管理を紹介する記事

まず覚えること 1

中古品等を仕入れて商売をするなら、許可が必要か確認する。

まず覚えること 2

必要な場合は申請し、許可を受けてから営業する。

まず覚えること 3

営業開始後も本人確認や記録などのルールを守る。

ここから詳しく知りたい人へ

なぜ古物商許可が必要なの?

古物営業法は、中古品の売買などを通じて盗品が流通するのを防ぎ、盗品を見つけやすくし、被害の回復や犯罪の予防につなげることを目的としています。取引時の確認や記録は、品物の流れを追う手がかりになります。

盗難品古物の流通取引情報追跡・発見

古物営業には3つの類型がある

古物商

古物を売買・交換したり、委託を受けて売買・交換したりする営業。一般に「古物商許可」と呼ばれる許可の対象です。

古物市場主

古物商同士が取引する市場を運営する営業。古物商とは別の許可が必要です。

古物競りあっせん業

インターネット等で古物の売買をあっせんする営業。古物商と同じ許可制度ではなく、届出制度です。

「営業」は本業か副業かだけでは決まらない

法律上の営業は、一般に利益を得る目的で、同じ種類の行為を反復・継続することを指します。毎回利益が出ることまでは必要とされず、副業や内職のような形でも営業と認められることがあります。一方、個人の不要品を売る行為など、すべての中古品販売が許可対象になるわけではありません。実態による個別判断です。

ネットで仕入れ・販売する場合

インターネットを使っても古物営業法の確認・記録義務はなくなりません。フリマアプリ等で仕入れる場合も相手方確認が問題になります。対面しない取引には法令で定められた本人確認方法があり、ネット販売を行う古物商には氏名または名称、公安委員会名、許可証番号などの表示義務が関係します。通信販売では特定商取引法など、別のルールも確認してください。

古物商許可だけで何でも販売できるわけではない

扱う商品や営業方法によっては、酒類、医薬品、質屋営業、貴金属等の取引など、別の法令や許認可が関係する場合があります。古物商許可だけで他の規制まで満たすわけではありません。

2026年時点で押さえておきたい制度変更

  • 2024年4月:古物商のウェブサイト等における氏名・名称、公安委員会名、許可証番号などの表示制度が改正されました。
  • 2025年10月:電線、グレーチング、エアコン室外機など一部品目について、取引額にかかわらず本人確認・記録義務の対象となる改正が施行されました。
  • 2026年6月:金属盗対策法に基づく特定金属くず買受業の届出等の制度が施行されました。古物に該当する物品と金属くずは区別が必要です。

よくある質問

自分の私物をフリマアプリで売るだけでも許可は必要?

自分で使っていた物や、自分用に購入した物を不要になって売るだけなら、通常は不要です。転売目的の仕入れを反復している場合は事情が異なります。

副業の中古品転売でも許可が必要?

副業であることだけを理由に不要にはなりません。利益目的で反復・継続して仕入れ販売する実態なら、必要となる可能性が高いです。

未使用品なら古物ではない?

使う目的で一般消費者の手に渡った品は、未使用でも古物になり得ます。

個人でも許可を取れる?資格試験はある?

個人でも申請できます。古物商許可を取るための資格試験はありませんが、法令上の許可基準があります。

自宅を営業所にできる?

状況によります。営業所としての実態や使用権限などを確認する必要があるため、申請前に管轄警察署へ相談してください。

フリマアプリで仕入れる場合も許可が必要?

仕入れ先がフリマアプリでも、古物を仕入れて反復販売する営業なら許可が必要となる可能性が高いです。相手方確認にも法定の方法があります。

古物商許可に更新はある?申請後すぐ営業できる?

通常の許可に定期更新はありませんが、許可事項の変更届などは必要です。営業は許可を受けた後に開始してください。

あなたが次にやること

これから許可を取る

「古物商許可の取り方」記事を確認(公開準備中)

扱う品物を確認したい

「古物商の13区分とは?」記事を確認(公開準備中)

すでに許可を取得した

許可後に必要な届出や日々の義務を確認(記事準備中)

ネット販売・ネット仕入れをする

非対面取引・ウェブ表示の詳細を確認(記事準備中)

出張買取をする

訪問購入との関係を含む案内を確認(記事準備中)

本人確認や取引記録を知りたい

本人確認・古物台帳の案内を確認(記事準備中)

日々の買取業務を整理したい

MINE PRIMEの機能紹介を見る

参考にした公的情報

本記事は制度の全体像を説明するための一般情報です。個別の取引が許可対象となるか、必要書類や手続の詳細は、営業所所在地を管轄する警察署へご確認ください。