どこでもCLI(Dokodemo CLI)は、iPhoneやiPadからリモートのサーバーやMacに安全にSSH接続できるモバイル向けターミナルアプリです。この記事では、アプリを使い始める上でよくある質問(FAQ)や、SSH接続がうまくいかない時のトラブルシューティング、Pro版で解放される便利な補助機能の使い方を分かりやすく解説します。

これを読めば、接続設定のチェックポイントから、ユーザー辞書・クリップボード履歴・ファイル共有などの機能の違い、データのプライバシー管理までがすべて分かり、アプリを最大限に活用できるようになります。

まず確認したいこと

どこでもCLIで何ができますか?

どこでもCLIは、iPhoneやiPadからSSH(Secure Shell)を利用して、リモート環境のMac、Windows、Linux、各種サーバーへ接続し、手軽にターミナル操作(コマンド操作)を行えるモバイルアプリです。

主な機能は以下の通りです。

  • SSH基本接続と接続先管理: よく使うサーバー情報を登録し、ワンタップで素早く接続できます。
  • 接続テスト: 事前に認証情報や接続経路に問題がないかを検証できます。
  • モバイル向けの入力補助: 矢印キーやCtrlキーなどをワンタップで入力できるキー操作バーや、日本語入力(IME)の未確定文字をわかりやすく表示する補助エリアを搭載しています。
  • コマンド辞書: Linuxなどの基本コマンドをいつでも確認できるリファレンスを内蔵しています。
  • Pro版機能: 制限解除(複数接続、無制限登録)に加え、ユーザー辞書、クリップボード履歴、リモートフォルダ選択、ファイル共有、AI CLI状態表示などの便利な効率化機能が追加されます。

無料版で使える機能は何ですか?

無料版でも、SSHターミナルとして基本となる操作を一通りご利用いただけます。

  • SSH基本接続およびターミナル操作
  • 接続テスト機能
  • 接続先の登録:最大2件まで
  • 同時接続ターミナル:最大1件まで
  • 基本キー操作バー(矢印キー、Enter、Tab、Esc、Deleteなど)
  • Ctrl+操作バー(Ctrl+CやCtrl+Dなどのショートカット入力)
  • 日本語IME入力補助
  • コマンド辞書(内蔵リファレンス)の閲覧
  • ターミナルテーマの変更、フォントサイズ変更
  • 接続中のターミナル名変更、および表示順の並び替え

Pro版(買い切り)で使える機能は何ですか?

Pro版は、日常的にSSH作業やサーバー確認、CLIツール操作を行う方向けの効率化プランです。一度の購入で永続的に全機能が解放される「買い切りのアプリ内課金」となっており、以下の機能が利用可能になります。

  • 接続先の登録制限解除(無制限に登録可能)
  • 同時接続ターミナルの制限解除(複数タブでの同時接続が可能)
  • ユーザー辞書(よく使う独自の定型文やコマンドの登録)
  • クリップボード履歴(ターミナル上でコピーした文字列の履歴保存・再利用)
  • リモートフォルダ選択(接続先のディレクトリをUI上で視覚的に選んで移動を補助する機能)
  • ファイル共有(接続先のリモートファイルを他のiOSアプリへ共有)
  • 対応AI CLIの状態表示(AIによる自動実行状態をタブ一覧で確認)

SSH接続で困ったときの確認ポイント

リモートサーバーへSSH接続できません

接続エラーが発生する場合は、以下の項目を順に確認してください。

  • ホスト名(またはIPアドレス)とポート番号: 入力に誤りがないか再度確認してください。特にポート番号がデフォルトの「22」以外に設定されている場合は注意が必要です。
  • 認証情報: ユーザー名、およびパスワード(または秘密鍵)が正しく入力されているか確認してください。
  • 接続経路とネットワーク: iPhone/iPadが接続先サーバーと同じネットワーク(同一のWi-Fiなど)にいるか確認してください。外出先のモバイル回線から自宅やオフィスのサーバーへ接続する場合は、VPN接続やTailscaleなどのVPN経路が正しく有効になっている必要があります。
  • SSHサーバーの状態: 接続先のリモートマシン側で、SSHサーバーが正しく起動しており、外部からの接続要求を待ち受けているか確認してください。
  • ファイアウォール設定: 接続先マシンやルーターのファイアウォール、セキュリティグループの設定によって、SSHの通信ポート(通常は22番など)がブロックされていないか確認してください。

Macへの接続手順など、具体的なSSH接続の設定方法については、以下の解説記事で詳しく手順を紹介しています。あわせてご参照ください。

→ iOS/iPadOSから自宅Macへ接続するための接続手順解説はこちら

「接続テスト」機能では何を確認していますか?

接続テストは、入力された情報(ホスト名、ポート番号、認証情報)に基づいて、相手先サーバーとSSHのハンドシェイク(接続・認証処理)が正常に行えるかをチェックする機能です。

※注意:接続テストで「成功」と表示されても、接続先のシェル設定、ユーザー権限の制限、またはログイン後のネットワーク状態によっては、実際に接続してターミナルを操作する際に何らかの問題が発生する場合があります。

iOSの「ローカルネットワークの許可」は必要ですか?

はい。同じWi-Fiルーターなどのローカルネットワーク内に存在するMacやPCへ接続する場合、iOSの仕様上「ローカルネットワーク」のアクセス許可が必要になります。

もし初回起動時や接続時に許可ダイアログを拒否してしまった場合は、iOSの「設定」アプリ >「どこでもCLI」を開き、「ローカルネットワーク」のスイッチがオンになっているか確認してください。

快適なターミナル操作をサポートする補助機能

日本語入力(IME)中の未確定文字が見えにくいのですが?

一般的なSSH接続では、日本語などのマルチバイト文字を入力する際、確定するまでの未確定文字がターミナル画面上に正しく描画されない現象が起こりやすいです。

どこでもCLIでは、この入力のしづらさを解消するために「日本語IME入力補助エリア」をキーボードの上部に設けています。入力中の変換前の文字がこの補助エリアにリアルタイムで表示されるため、長い日本語を入力する場合でもスペルや漢字変換の間違いをしっかり確認しながら入力できます。

Ctrl+Uキー of ショートカットは何に使いますか?

Ctrl+Uキーは、主に「現在ターミナルに入力中の行をすべて削除(クリア)する」ためのショートカット操作です。長いコマンドを打ち間違えてしまった際、バックスペースキーを連打することなく、一瞬で入力をクリアして最初から打ち直すことができます。

「キー操作バー」ではどのようなキーを入力できますか?

画面上に表示される操作バーから、モバイル用の標準キーボードでは入力しにくい以下の特殊キーやコマンドショートカットをワンタップで送信できます。

  • 方向キー(↑ / ↓ / ← / →)によるカーソル移動や履歴呼び出し
  • Enter(改行)、Tab(補完)、Esc(エスケープ)
  • Delete、Backspace
  • Ctrlキーとの組み合わせ(Ctrl+Cによる処理中断、Ctrl+Dによるシェル終了、Ctrl+Lによる画面クリア、Ctrl+Aによる行頭移動、Ctrl+Eによる行末移動、Ctrl+Uによる行削除など)

Pro機能の詳細と購入・復元手順

Pro版は月額課金(サブスク)ですか?

いいえ。どこでもCLI Proは月額課金ではなく、一度の決済のみで永続的にすべての機能を利用できる「買い切りのアプリ内課金」です。追加の料金が発生することはありません。

Pro版の購入を別の端末に復元することはできますか?

はい、可能です。同じApple IDを設定しているiPhoneやiPadであれば、追加料金なしでPro版の購入情報を共有できます。

新しい端末や再インストールしたアプリでPro機能を有効にする場合は、アプリ内の「購入ページ」または設定画面にある「購入の復元(リストア)」ボタンをタップしてください。

辞書機能の違い(コマンド辞書・ユーザー辞書)

コマンド辞書とユーザー辞書の違いは何ですか?

どこでもCLIには、作業効率を高めるための2つの辞書機能があります。

  • コマンド辞書(無料版でも利用可能): アプリにあらかじめ内蔵されている標準的なコマンドリファレンスです。Linuxなどでよく使うディレクトリ操作やネットワーク確認コマンドなどの構文を素早く検索・確認し、そのままターミナルにコピーして貼り付けられます。
  • ユーザー辞書(Pro機能): 自分自身がよく使用する独自の接続コマンド、ディレクトリパス、定型スクリプトなどを自由に登録しておける機能です。登録したテキストは、キーボード上部の補助ボタンや専用メニューからワンタップで即座にターミナルに入力できます。

自分で登録したユーザー辞書のデータはどこに保存されますか?

ユーザー辞書に登録したテキストデータは、すべてご利用中の端末内に暗号化して保存されます。当方のWebサーバーなど、外部へ送信されることは一切ありません。

クリップボード履歴の活用と管理

ターミナルのクリップボード履歴機能とは何ですか?

どこでもCLIのターミナル上でコピーしたテキストや、外部アプリからクリップボードにコピーした内容を履歴として自動で記録し、後から必要なテキストを選んで再利用(ペースト)できるPro専用の機能です。

無料版でも履歴は保存されますか?

いいえ。無料版ではクリップボード履歴の保存・一覧表示機能はご利用いただけません。ただし、通常のコピー&ペースト操作自体は無料版でもOSの標準機能を通じて制限なく利用可能です。

履歴データの削除やクリアはできますか?

はい、Pro版の履歴一覧画面から、個別の履歴データをスワイプして削除することや、履歴全体を一括で完全に削除・クリアすることができます。

フォルダ選択・ファイル共有によるリモート作業の効率化

「リモートフォルダ選択」機能とは何ですか?

SSH接続先のリモートサーバー内のファイル階層を、CUI(コマンド入力)だけでなく、アプリ側の視覚的なフォルダブラウザUIを使ってブラウズできる機能です。目的のフォルダをタップして選択するだけで、ターミナル上のカレントディレクトリ(作業フォルダ)を自動的にそのパスへ移動(cd)させることができます。

フォルダの自動選択を使わず、通常のcdコマンドも使えますか?

はい、もちろん可能です。ターミナル上で直接 cdlspwd などの標準コマンドを手動入力する操作は、無料版・Pro版を問わず通常どおり機能します。

Pro機能として制限されているのは、あくまで「アプリ側が提供する視覚的なフォルダ選択ブラウザ(UI)や、次のファイル共有補助機能」です。

ファイル共有ではどのようなことができますか?

接続先のリモートサーバー上にあるファイルをアプリが一時的に取得し、iOS標準の共有シート(Share Sheet)を呼び出すことができます。これにより、サーバー上の設定ファイルやログテキスト、画像ファイルなどを、iPhone/iPad内の別のアプリ(ファイルアプリやメッセージ、クラウドストレージなど)へスムーズに転送して活用できます。

AI CLI状態表示機能について

「AI CLI状態表示」とはどのような機能ですか?

Gemini CLI、Codex CLI、Antigravity CLIといった、対話型のAIアシスタント機能を持つ対応AI CLIをターミナルで実行している際、そのAIの最新動作状態を接続中ターミナルの一覧画面やヘッダーで確認できるPro専用の機能です。

対応AI CLIの状態に応じて、以下のようなステータスがリアルタイムで反映されます。

  • 入力待ち: ユーザーからの指示入力を待機している状態です。
  • 実行中: AIが指示を解釈し、コマンドの作成や処理を実行している状態です。
  • 確認待ち: AIが提案したコマンドを実行してよいか、ユーザーの承認を待っている状態です。

接続中のすべてのAI CLIで自動的に状態が表示されますか?

いいえ。AI CLIの状態を表示するには、接続先のCLI側が「ターミナルのタイトル」などを通じて自身の状態を出力している必要があります。

そのため、ご利用のAI CLIのバージョンや環境設定、接続するシェル(CLI側の設定)によっては、状態が自動的に検知・表示されない場合がありますのであらかじめご了承ください。

Antigravity CLIで状態を表示するために必要な設定はありますか?

Antigravity CLIで状態表示を連携させる場合、CLI側の設定ファイル(設定スクリプトなど)で、プロンプトの実行状態に応じてターミナルのタイトルを動的に書き換える出力設定が必要になる場合があります。

※具体的な設定コードやスクリプト例は、ユーザー環境やバージョンによって異なる可能性があるため、詳細な設定手順については今後のアップデートに合わせて追記を予定しています。

データ保存とセキュリティ・プライバシー

登録したSSH接続情報は外部のサーバーへ送信されますか?

いいえ。どこでもCLIは、当方のサーバーを介さずにデバイスから接続先サーバーへ直接SSH通信を行う設計になっています。登録したホスト名やユーザー名、ポート番号などの接続情報が、当方のサーバーへ収集・転送されることは一切ありません。

パスワードや鍵などの重要データはどこに保存されますか?

接続に使用するパスワードや秘密鍵などの重要情報は、iOS/iPadOSが提供する非常に強固な暗号化保護領域である「キーチェーン(Keychain)」に直接保存されます。アプリの一般的なローカルストレージやキャッシュとは隔離された安全な領域で管理されるため、安心してご利用いただけます。

また、Pro機能で保存されるクリップボード履歴やユーザー辞書の内容についても、すべてローカル端末内のサンドボックス領域(アプリ専用の保存エリア)に保存され、外部サーバーへ送信されることはありません。

それでも解決しない場合

FAQを読んでも問題が解決しないときはどうすればいいですか?

上記をご確認いただいても接続できない場合や、動作上の問題・ご不明な点がある場合は、以下の情報を添えて、下記のサポートページよりご連絡ください。

  • ご使用中の端末(iPhone 15 Pro、iPad Airなど)
  • iOS / iPadOS のバージョン
  • 接続先サーバー・マシンのOS種別やバージョン
  • 接続方法(Wi-Fi、VPN、Tailscaleなど)
  • 画面に表示されたエラーメッセージ(もしあれば)
  • どのような操作を行った際に問題が発生したか

※ご連絡をいただく際は、接続パスワードや秘密鍵などの機密情報をメッセージ本文に絶対に含めないようご注意ください。

ご連絡は、下記のサポート窓口より承っております。