定型文入力アプリ「PhraseBoard」を v1.1.8 にアップデートしました。今回追加したのは、Apple Intelligenceを使って定型文の表示名を自動生成する機能と、定型文内で使われている未登録の定数を見つけて登録しやすくする機能の2つです。表示名を考える小さな手間と、定数をあとから手入力で登録する手間を、それぞれ少しずつ減らすためのアップデートです。

この記事では、Apple Intelligenceによる表示名の自動生成がどのように動くのか、非対応環境ではどうなるのか、そして未登録定数を見つけやすくした具体的な仕組みについて、実装時に考えたことも交えて紹介します。

目次

PhraseBoardとは

PhraseBoardは、よく使う定型文を親アプリで管理し、iOSのカスタムキーボードからワンタップで入力できるアプリです。フリマの取引連絡やビジネスメールの返信など、繰り返し入力する文章をあらかじめ登録しておくことで、毎回同じ文章を打ち直す手間をなくせます。

v1.1.8で追加した2つの機能

v1.1.8では、次の2つの機能を追加しました。

  • Apple Intelligenceによる定型文の表示名自動生成
  • 定型文内で使われている未登録定数の登録補助

どちらも「AIに文章そのものを書かせる」機能ではなく、既存のPhraseBoardの使い勝手を少し補助する用途としてApple Intelligenceを使っています。

PhraseBoardの定型文一覧画面。登録した定型文とその表示名が並んで表示されている

Apple Intelligenceで表示名を自動生成する仕組み

これまで定型文を登録するときは、表示名と本文をそれぞれ入力する必要がありました。本文を書き終えたあとに「これ、表示名を何にしよう」と考えるのが、地味に面倒な作業でした。

v1.1.8では、表示名を空欄のまま保存できるようにしました。Apple Intelligenceが利用できる環境であれば、保存後に一覧で「生成中…」と表示されている間に本文の内容を解析し、用途に合った表示名を自動的に設定します。

例えば、本文に「商品を発送いたしました。到着まで今しばらくお待ちください。」と書いた場合、表示名には「発送完了のご連絡」のような文章が自動的に設定されます。単純に本文中の単語を拾うのではなく、「この定型文をどんな場面・目的で使うのか」が伝わる表示名になるよう調整しています。

保存とAI処理を切り離し、入力のテンポを崩さない設計に

今回特に意識したのは、保存ボタンを押したあとにApple Intelligenceの処理が終わるまで画面を待たせないことです。定型文の保存とAIによる表示名生成の処理は切り離してあり、保存するとすぐに一覧画面へ戻り、裏側で表示名の生成が進みます。生成が完了すると、一覧の表示名が自動的に更新される仕組みです。

また、アプリ起動時にも表示名が空のままの定型文がないかをチェックします。生成中にアプリを終了した場合や、一時的に生成へ失敗した場合でも、次にアプリを開いたときに改めて生成を試みます。複数ある場合は順番に処理します。

Apple Intelligenceは対応端末・対応環境でのみ利用できます。生成される表示名の内容は、本文の書き方やOSのアップデートによって変わる場合があります。

Apple Intelligenceが使えない環境でもこれまで通り使える

Apple Intelligenceは対応端末・対応環境でのみ動作します。利用できない環境では、表示名が空のまま保存された定型文は、本文の先頭部分が表示名として一時的に表示されます。

そのため、Apple Intelligenceによる自動生成はあくまで追加の便利機能という位置づけです。PhraseBoard自体は、非対応の端末でもこれまで通りの機能を使い続けられます。

定型文内の未登録定数を自動検出して登録しやすく

PhraseBoardには、{{名前}}{{会社名}} のように、定型文の一部を共通の値に置き換える「定数」機能があります。これまでは、定型文の中に先に {{商品名}} のような記述を書いた場合、定数管理画面を開いて自分で「商品名」という名前を入力して登録する必要がありました。

v1.1.8では、登録済みのすべての定型文を確認し、「定型文の中で使われているが、まだ登録されていない定数」を自動的に候補として表示するようにしました。例えば定型文に {{お客様名}}{{商品名}} が使われていて、まだ登録されていない場合、定数追加画面にその名前が候補として並びます。候補をタップすると、その名前が定数の入力欄にそのまま入るため、あとは値を設定して保存するだけです。候補をタップしただけでは自動的に保存されないため、内容を確認・修正してから登録できます。

なぜこの2つの機能を選んだか

PhraseBoardにApple Intelligenceを組み込むにあたって、文章生成や返信文の自動作成といった機能も検討しました。ただ、PhraseBoardは「AIに文章を書かせるアプリ」ではなく、自分で登録した定型文を素早く使うためのアプリです。そのため、無理にAIキーボード化するのではなく、既存機能の細かい手間を減らす方向で使うことにしました。

表示名を考えなくてよくなることや、定数の登録候補を見つけやすくすることは、それ自体は小さな変更です。それでも、定型文を頻繁に登録する人ほど、積み重なった手間が減るはずだと考えています。

まとめ:PhraseBoard v1.1.8の変更点

PhraseBoard v1.1.8の主な変更点は以下の通りです。

  • Apple Intelligenceによる定型文の表示名自動生成
  • 表示名を空欄のまま保存可能
  • 生成処理を待たずに定型文を保存(生成中はローディング表示)
  • アプリ起動時に未生成の表示名を再チェック
  • Apple Intelligence非対応環境では本文冒頭を表示名としてフォールバック表示
  • 定型文内の未登録定数を自動検出
  • 定数追加画面から候補をワンタップで入力欄へ反映

PhraseBoardは今後も、「定型文を素早く入力する」という基本部分を変えずに、日々の入力や管理で発生する細かい手間を減らす方向で改善していく予定です。Apple Intelligenceについても、AI機能そのものを目的にするのではなく、PhraseBoardだから役立つ使い方を今後も考えていきます。

感想や要望を教えてください

v1.1.8の表示名自動生成や定数の検出機能を使ってみた感想、「こんな場面でも自動生成してほしい」といったご要望があれば、コメントやDMで気軽に教えてください。

アプリの詳しい機能や対応機種については、以下のアプリ詳細ページをご覧ください。

定型文キーボード - PhraseBoard アプリ詳細ページ